Linux Mint 22のインストール後にやること

Linux

2024年7月25日に待ちに待った Linux Mint 22 “Wilma” のリリースが公式サイトよりアナウンスされたので、そのクリーンインストール後に行った設定や日本語化、細かい調整などを備忘録として書き残しておきます。(以前に書いたLinux Mint 21をインストールした直後にやること一覧の焼き直しですが)

Linux Mint のデスクトップ環境は Cinnamon (シナモン)MATE (マテ) そして Xfce (エックス・エフ・シー・イー) の三種類のエディションが用意されていますが、自分は MATE を選択したので、ここでは MATE Edition をインストールするという前提で話を進めていきます。

  1. 公式リポジトリを日本のサーバーに設定する
  2. Linux Mintに更新プログラムをインストールする
  3. Firewall の有効化
  4. Linux Mint の日本語化
    1. 日本語フォントの追加
    2. 日本語化パッケージの適用
    3. manコマンドの日本語化
    4. フォルダ名の英語化
    5. 日本語名のデスクトップフォルダを削除 (必要であれば)
    6. フォントの設定
  5. 日本語を入力できるようにする
    1. Fcitx5 のインストールと設定
    2. 不要になったインプットメソッドを削除 (任意)
  6. 32bit向けの実行ファイルを64bit環境で動作できるようにする
  7. 必須もしくは必要なソフトのインストール
    1. build-essential, libdvd-pkg, コーデック関連
    2. ClamAV のインストール
    3. ファイルの圧縮・解凍関連
    4. Google Chrome
    5. Vivaldi
    6. preload
    7. BleachBit
    8. Trimage
    9. Snap
    10. GIMP
    11. Wine
  8. モニタリングツールのインストール
    1. hardinfo
    2. nvtop
  9. グラフィックボードドライバーのインストール
    1. NVIDIA の場合
    2. AMD Radeon の場合
  10. プリンタードライバーのインストールと設定
    1. プリンターのドライバーをインストールする
    2. プリンターを使えるように設定する
  11. ノートパソコン・タブレットPC向け設定 (省電力化)
    1. PowerTOP
    2. TLP
  12. その他、細かい設定など
    1. デスクトップにゴミ箱などのアイコンを表示する
    2. スクリーンセーバーを無効化する
    3. 一定時間作業しないと画面がロックされるのを無効化する
    4. ノートパソコンを閉じた際にロックされるのを防ぐ
    5. パネルアイコンをクリックした時のアニメーションを無効化
    6. アイドル時間が続いてもシステムをスリープ状態にしない
    7. アイドル時間が続いても画面を暗くしない
    8. デュアルブートで時刻がズレないようにする
    9. 壁紙のダウンロード
  13. Linux Mint に溜まっている不要なものを削除する
    1. /usr/share/locale以下の他言語(locale)を削除する
    2. APTキャッシュの削除
    3. 古いバージョンのLinuxカーネルを削除する

公式リポジトリを日本のサーバーに設定する

初期設定ではアメリカとイギリスのサーバーに設定されていますが、日本から遠く離れていてダウンロード速度も遅いので、近くてダウンロード速度の早い日本のサーバーに設定します。

まず画面左下の隅にある「メニュー」ボタン(Linux Mint のロゴ)をクリックすると、以下の画像のようにメニュー画面が出てくるので「コントロールセンター」をクリックします。

以下の画面が開くので [ソフトウェアソース] をクリックします。

以下のウィンドウが開くのてミラーの メイン (wilma) と ベース (noble) を日本のサーバーに変更します。ここでは一番早かった repo.jing.rocks を選択しています。


Linux Mintに更新プログラムをインストールする

リポジトリを日本に設定したら、次はアップデートのインストールです。キーボードの [Ctrl] + [Alt] + [T] を押せば端末が開くので、以下のコマンドを入力して更新されるパッケージを確認します。

$ sudo apt update && apt list --upgradable

確認したら、早速アップデートを開始します。更新されるパッケージの量やパソコンの性能によっては時間がかかる場合があります。

$ sudo apt upgrade -y

Firewall の有効化

外部からのアクセス(incoming)を全て拒否、内部から外部へのアクセス(outgoing)を全て許可して Firewall を有効化します。「ufw logging on」もしくは「ufw logging low」は Firewall へのアクセス履歴を /var/log/ufw.log に残す設定です。ログを残したくない場合は「ufw logging off」に置き換えてください。

ちなみに記録したいログの量に合わせて off, on (low), medium, high, full が指定できます。off が完全にログを記録しない設定で full が全てのログを記録する設定です。

$ sudo ufw enable
$ sudo ufw default deny
$ sudo ufw logging on
$ sudo ufw reload

ちゃんと有効になっているか以下のコマンドで確認します。

$ sudo ufw status verbose

以下のように表示されていれば完了です。

状態: アクティブ
ロギング: on (low)
Default: deny (incoming), allow (outgoing), disabled (routed)
新しいプロファイル: skip

Linux Mint の日本語化

Linux Mint 22 “Wilma” ではインストール時に日本語を選択すると、日本語環境がほぼ構築されるみたいですが、一部は英語のままだったりするので少し手を加えます。

日本語フォントの追加

以下のコマンドで「MigMix」「Takaoフォント」「IPAフォント」「IPAexフォント」「さわらびフォント」「VLゴシック」を追加します。

$ sudo apt -y install fonts-migmix fonts-takao fonts-ipafont fonts-ipaexfont fonts-sawarabi-gothic fonts-sawarabi-mincho fonts-vlgothic

その他、更に詳しい日本語フォントの追加方法については以下の記事を参照してください。

日本語化パッケージの適用

Linux Mint 22をインストールする際に日本語を選択しなかった場合は、以下のコマンドで日本語化パッケージをインストールしてください。

$ sudo apt -y install language-pack-gnome-ja language-pack-gnome-ja-base language-pack-ja language-pack-ja-base firefox-locale-ja thunderbird-locale-ja libreoffice-l10n-ja libreoffice-help-ja

manコマンドの日本語化

以下のコマンドによりmanコマンドを日本語化します。ただし、日本語化が不完全なものもあることにご留意ください。

$ sudo apt -y install manpages-ja manpages-ja-dev

フォルダ名の英語化

端末で操作する際、日本語だと切り替えが面倒なので、これだけは英語表記にします。

$ LANG=C xdg-user-dirs-gtk-update

以下の画面が表示された場合は Don’t ask me this again にチェックを入れ Update Names をクリックします。

また、ログイン時に以下の画面が表示された場合「次回から表示しない」にチェックを入れ「古い名前のままにする」をクリックしてください。もし「名前を更新する」を選ぶとまたフォルダ名が日本語に戻ってしまうので注意してください。

日本語名のデスクトップフォルダを削除 (必要であれば)

どういう訳か、自分の環境ではフォルダ名の英語化を実行するとデスクトップフォルダが日本語(デスクトップ)と英語(Desktop)で混在してしまうので日本語名のデスクトップフォルダを削除します。必要がなければ、この項目は飛ばしてください。

$ rm -r ~/デスクトップ

フォントの設定

まず、端末(CUI)からフォントを指定する方法を紹介します。既に使用したいフォントが決まっている場合はこちらの方がGUIで操作するより手っ取り早いと思います。

以下の例では、固定幅のフォント以外 MigMix 2P で統一しています。末尾の数字はフォントの大きさを表しています。

// アプリケーションのフォント (Application font)
$ gsettings set org.mate.interface font-name 'MigMix 2P Regular 10'

// 文書のフォント (Document font)
$ gsettings set org.mate.interface document-font-name 'MigMix 2P Regular 10'

// デスクトップのフォント (Desktop font)
$ gsettings set org.mate.caja.desktop font 'MigMix 2P Regular 10'

// ウィンドウタイトルのフォント (Window title font)
$ gsettings set org.mate.Marco.general titlebar-font 'MigMix 2P Bold 10'

// 固定幅のフォント (Fixed-width font)
$ gsettings set org.mate.interface monospace-font-name 'Monospace Regular 10'

一方、こちらはGUIからフォントを設定する方法です。

メニュー」→「コントロールセンター」→「外観」をクリックします。

[フォント] タブを選択し、後はお好みのフォントとサイズを設定してください (ここでは固定幅フォントを除き Migmix 2P を選択しています)。


日本語を入力できるようにする

Fcitx5 のインストールと設定

日本語入力できるように設定するのは必須項目ですね。ここでは Fcitx の後継版である Fcitx5 をインストールします。

$ sudo apt -y install fcitx5 fcitx5-mozc --install-recommends

日本語入力で Fcitx5 を使うように設定します。

$ im-config -n fcitx5

Fcitx5 を使うように設定されたか確認します。

$ cat ~/.xinputrc

以下の画像のように run_im fcitx5 となっていればちゃんと設定されています。

設定を反映させるために一度ログアウトし、再びログインします。ログアウトするには、キーボードの [Ctrl] + [Alt] + [Backspace] を同時押しするか、以下のコマンドを実行します。

$ killall mate-session

再度ログインしたら、次のコマンドを実行して「Fcitx5 設定」を開きます。GUIで「メニュー」→「コントロールセンター」→「Fcitx5 設定」から開くこともできます。

$ fcitx5-configtool

画面左側が「キーボード – 日本語」「Mozc」なっているか確認します。

確認したら設定ウィンドウを閉じてしまって大丈夫です。

あとは、タスクバーのキーボードのアイコンを左クリックもしくは [半角/全角] キーをタイプすれば、アルファベット入力とローマ字日本語入力を切り替えられます。

試しにテキストエディタで何か日本語で入力してみましょう。

不要になったインプットメソッドを削除 (任意)

インストールされているインプットメソッドを確認します。ここでは「ibus」「fcitx5」「xim」の3つが表示されています。

$ im-config -l
 ibus fcitx5 xim

ibusが不要なので削除します。

$ sudo apt remove -y ibus

ibusが削除されたか確認します。以下のように「fcitx5」と「xim」だけになっていたら削除完了です。

$ im-config -l
 fcitx5 xim

32bit向けの実行ファイルを64bit環境で動作できるようにする

32bit向けの実行ファイルをそのまま64bit環境の Linux Mint 上で実行しようとすると、以下の画像のように「実行できません: 必要なファイルがありません」というエラーが出て実行できません。(ここでは、32bitの実行ファイルとしてAACエンコーダーの neroAacEnc を使用しています)

そこで、32bit向けの実行ファイルを64bit環境の Linux Mint 上で動作できるようにします。

$ sudo dpkg --add-architecture i386
$ sudo apt update
$ sudo apt -y install libc6:i386 libstdc++6:i386

再度、32bitの実行ファイルを実行して動作すればOKです。

必須もしくは必要なソフトのインストール

build-essential, libdvd-pkg, コーデック関連

build-essential には開発に必要なビルドツール一式が含まれています。libdvd-pkgは市販の著作権保護されたDVDを再生するのに必須です。

$ sudo apt -y install git cmake build-essential mint-meta-codecs ubuntu-restricted-extras libavcodec-extra libdvd-pkg

ubuntu-restricted-extras をインストールしている最中、以下のようなメッセージが出てきますが全て「了解」や「はい」で進めます。キーボードの [TAB] ボタンで選択し [Enter] を押せばOKです。

また libdvd-pkg をインストールしている最中でも、以下のようなメッセージが出てきますが、こちらも全て「了解」や「はい」で進めます。

次に、以下のコマンドを入力して libdvdcss2 ライブラリをインストールします。これも市販のDVDを再生するのに必須です。

$ sudo dpkg-reconfigure libdvd-pkg

ここでも以下のようなメッセージが出てきますが「Yes」を選択してください。

ClamAV のインストール

ClamAVはオープンソースで開発されているCUIベースのアンチウイルスソフトです。Windowsと比べ、ウイルスに感染する事が少ないとされるLinuxとはいえ、セキュリティ対策は重要です

$ sudo apt -y install clamav

このまま sudo freshclam を実行してウイルス定義ファイルを更新するとエラーが出るので、まず以下のコマンドを実行します。

$ sudo rm /var/log/clamav/freshclam.log
$ sudo touch /var/log/clamav/freshclam.log
$ sudo chown clamav:clamav /var/log/clamav/freshclam.log

次に /etc/logrotate.d/clamav-freshclam を開きます。テキストエディタは何でも構いませんが、ここでは自分が普段使っている nano を使います。

$ sudo nano /etc/logrotate.d/clamav-freshclam

以下の画像のように「create 640 clamav adm」と書かれている箇所を「create 640 clamav clamav」に書き換えて保存します。nanoの場合 [Ctrl] + [O] を押して [Enter] を押せばすれば保存できます。nanoを終了する場合は [Ctrl] + [X] を押します。

最後に、ウイルスを隔離するディレクトリを作成したら準備は完了です。

$ mkdir ~/detected_virus

ウイルス定義ファイルを更新します。

$ sudo freshclam

試しに以下のコマンドを実行してホームフォルダ以下をウイルス検索します。時間がかかるようでしたら [Ctrl] + [C] で中断して大丈夫です。

$ clamscan -r --exclude-dir=$HOME/detected_virus --move=$HOME/detected_virus ~

その他、詳しい設定方法は以下の記事をご覧ください。

ファイルの圧縮・解凍関連

ファイルやディレクトリを圧縮したり解凍したりするパッケージを色々とインストールします。正直、滅多に使わない圧縮形式もあるので、こんなに入れる必要なないとは思いますが、念のため書いておきます。

$ sudo apt -y install lzip lunzip cabextract p7zip-full xz-utils lhasa rar unrar zstd arj

Google Chrome

皆さんもご存じの通り、Google が開発するブラウザです。

Google Chromeの公式サイトにアクセスしてそこからダウンロードしてインストールする事もできますが、面倒なのでダウンロードからインストールまで全てコマンドラインで行いたいと思います。

まず、wget で最新の Google Chrome をダウンロードします。

$ wget https://dl.google.com/linux/direct/google-chrome-stable_current_amd64.deb

インストール方法は dpkg コマンドを使う方法と apt コマンドを使う方法の2通りあるので好きな方を使ってください。

// dpkg を使ったインストール方法
$ sudo dpkg -i google-chrome-stable_current_amd64.deb

// apt を使ったインストール方法
$ sudo apt install ./google-chrome-stable_current_amd64.deb

最後に不要になったdebファイルを削除します。

$ rm google-chrome-stable_current_amd64.deb

Vivaldi

Vivaldi は、ノルウェーのVivaldi Technologies社によって開発されているブラウザです。Opera Softwareの創業者の1人でCEOだったヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナー氏が開発に携わってることで有名ですね。個人的には旧Operaブラウザの精神を継ぐブラウザだと思っています。(ちなみに、Opera Software社は中国の企業に買収され、傘下に入ってしまっています…)

Vivaldiのインストールは簡単でリポジトリに登録した後、aptからインストールできます。

$ wget -qO- https://repo.vivaldi.com/archive/linux_signing_key.pub | sudo apt-key add -
$ sudo add-apt-repository 'deb https://repo.vivaldi.com/archive/deb/ stable main'
$ sudo apt update && sudo apt -y install vivaldi-stable

preload

preloadとは、よく使われるファイルなどをメモリに読み込むことでアプリケーションの起動を早くするソフトです。以下のコマンドでインストールできます。

$ sudo apt -y install preload

preloadを起動します。

$ sudo systemctl start preload

システム起動時にpreloadが自動で起動するようにします。

$ sudo systemctl enable preload

ちなみに /etc/preload.conf を編集することで細かく設定することができますが、自分は特にいじりませんでした。

$ sudo nano /etc/preload.conf

BleachBit

ゴミファイルや一時ファイルなどを削除してくれるお掃除ソフトです。

$ sudo apt -y install bleachbit

Trimage

JPEG と PNG に対応した画像最適化ソフトで、可逆圧縮(ロスレス)でファイルサイズを削減することができます。ブログとかやっていて画像を多くアップロードする人は入れておいて損はないです。

$ sudo apt -y install trimage

Snap

Snapとは イギリスのCanonical社が開発したパッケージ管理システムです。Snapの一番の魅力は何と言ってもSnapで配布されているソフトはLinuxのディストリビューションやバージョンに依存せずインストールできる点です。しかも、インストールされたソフトを自動で最新の状態に保ってくれる優れもの。

しかし Linux Mint 20以降ではSnapがインストールされていないどころか apt でインストールしようとすると以下の画像のように「E: パッケージ ‘snapd’ にはインストール候補がありません」とエラーが出ます。

これには色々と事情があって Linux Mint の開発陣営からSnapが拒絶されてるからなのですが、Snapに移行したソフトも多いので利用できないのは不便です。そこで以下のコマンドでSnapを利用可能にします。

$ sudo rm /etc/apt/preferences.d/nosnap.pref
$ sudo apt update
$ sudo apt -y install snapd

Snap が無事にインストールされたら、ご自由に好きなソフトをインストールしてください。

// Skypeをインストールしたい場合
$ sudo snap install skype

// Chromium をインストールしたい場合
$ sudo snap install chromium

// Leafpad をインストールしたい場合
$ sudo snap install leafpad

GIMP

GIMP (GNU Image Manipulation Program) とは、マルチプラットフォームで動作する非常に多機能な画像編集プログラムです。Linux Mint 19.2 まで GIMP は Linux Mint に標準の画像編集プログラムとして同梱されていましたが、19.3より同梱されていませんので、必要な方は以下のコマンドを実行してインストールしてください。

$ sudo apt -y install gimp gimp-help-ja

Wine

Wineとは、Microsoft Windows向けに開発されたアプリケーションをUnixライクOSで動作させることを目的とした互換レイヤーです。分かりやすく言えば Linux上でWindowsのソフト(exeファイル)を動作させるソフトです。

以下のコマンドを実行して Wine をインストールします (ついでにexeファイルのサムネイルを表示する exe-thumbnailer もインストール)。

$ sudo apt -y install wine-installer exe-thumbnailer

インストールが無事に完了すると、以下のようにアプリケーションのメニューに「Wine」が追加されます。

アプリケーションのメニューにWineが追加されているのを確認したら、一旦システムを再起動させます。

$ sudo reboot

システムの再起動後、exeファイルをWineで起動するように関連付けをします。Linuxで動作させたいexeファイルを右クリックし、「別のアプリで開く」を選択します。

コマンドを直接指定する」の欄に、以下のコマンドを入力します。

wine start /unix %f

後は exeファイルをダブルクリックしてexeファイルが動作すれば無事成功です。


モニタリングツールのインストール

hardinfo

システム情報を表示してくれるツールです。

$ sudo apt -y install hardinfo

インストールが完了したら、メニュー → システムツール → System Profiler and Benchmark で開く事ができます。

こんな感じでシステム情報が表示されます。

nvtop

AMD や Intel、NVIDIA 向けの GPU プロセスモニタリングツールです。

$ sudo apt -y install nvtop

使い方は簡単で端末から nvtop と入力して実行するだけです。

$ nvtop

元の画面に戻るにはキーボードの [Q] ボタンを押します。


グラフィックボードドライバーのインストール

自作パソコンなどで高性能なグラボを搭載している場合は、GPUの性能を最大限に引き出すために公式ドライバーをインストールします。

NVIDIA の場合

まず以下のコマンドを実行して、使用可能なドライバーを確認します。

$ ubuntu-drivers devices

ここでは一番新しく、recommended (推奨) となっている nvidia-driver-535 をインストールします。インストールするには、以下のコマンドを実行します。

$ sudo apt -y install nvidia-driver-535

ドライバーのインストールが完了したら、パソコンを再起動させます。

$ sudo reboot

ちゃんとドライバーがインストールされたか確認するために以下のコマンドを実行します。

$ nvidia-smi

AMD Radeon の場合

AMD公式サイトのインストールガイドを参考に、ドライバーやその他諸々をインストールします。

$ sudo apt update
$ sudo apt install "linux-headers-$(uname -r)" "linux-modules-extra-$(uname -r)"
$ sudo usermod -a -G render,video $LOGNAME
$ wget https://repo.radeon.com/amdgpu-install/6.2/ubuntu/noble/amdgpu-install_6.2.60200-1_all.deb
$ sudo apt install ./amdgpu-install_6.2.60200-1_all.deb
$ sudo apt update
$ sudo amdgpu-install
$ sudo apt -y install amdgpu-dkms rocm

インストールが完了したら、システムを再起動します。

$ sudo reboot

以下のコマンドでグラフィックボードの状態を確認します。

$ rocm-smi

最後に不要になったdebファイルを削除します。

$ rm ~/amdgpu-install_6.2.60200-1_all.deb

プリンタードライバーのインストールと設定

プリンターのドライバーをインストールする

以下のコマンドを実行してプリンター用のドライバーをインストールします。

$ sudo apt -y install --install-recommends printer-driver-all

プリンターを使えるように設定する

[メニュー] -> [コントロールセンター] -> [プリンター] を選択します。

以下の画像のように、自動的に検出されている場合はそのままウィンドウを閉じてしまって構いません。自分の場合は EPSON EP-880A です。

もし、見つからない場合は、[追加] -> [ネットワークプリンター] から目的のプリンターを選択し「進む」をクリックします。

適当なプリンター名などを入力し [適用] をクリックすれば完了です。


ノートパソコン・タブレットPC向け設定 (省電力化)

こちらはノートパソコンやタブレットPC向けの内容となります。

PowerTOP

PowerTOPとは、Intelが提供しているLinux向けの省電力診断・最適化ツールです。

$ sudo apt -y install powertop

PowerTOPを起動します。

$ sudo powertop

操作方法は [Tab] キーで表示情報を切り替え [Esc] キーで終了します。Overviewタブは、現在消費されている電力を見ることができます。最適化前の discharge rate は 8.21W となっています。

また Tunablesタブは、省電力設定を行うことができます。省電力設定されていない項目は Bad と表示され、省電力設定された項目は Good となっています。

[Esc] キーを押して一旦 PowerTOP を終了させ、以下のコマンドで省電力設定の項目を全て Good にし最適化します。

$ sudo powertop --auto-tune

再度、PowertOP を起動し消費電力を確認してみます。

$ sudo powertop

最適化前の 8.21W と比べて 5.33W となっておりバッテリーの消費電力が少なくなったことが分かります。

しかし、再起動すると設定がリセットされてしまうので、システム起動時に auto-tune が実行されるようにします。

まず、/etc/systemd/system/powertop.service を作成・編集します。テキストエディタは何でも構いませんが、ここでは自分が使い慣れている nano を使います。

$ sudo nano /etc/systemd/system/powertop.service

以下の内容を記述し、保存します。(nanoの場合 [Ctrl] + [O] を押して [Enter] で保存、[Ctrl] + [X] で終了)

[Unit]
Description=Powertop Autotune

[Service]
RemainAfterExit=true
ExecStart=/usr/sbin/powertop --auto-tune

[Install]
WantedBy=multi-user.target

設定内容を反映させます。

$ sudo systemctl daemon-reload

システムを再起動しても自動的に起動するようにします。

$ sudo systemctl enable powertop
$ sudo systemctl start powertop
PowerTOPを使ってLinuxマシンを省電力化する -- ぺけみさお

TLP

TLPは、高度な電源管理システムを利用してバッテリーの寿命を伸ばすものらしいです。以下のコマンドでインストールします。

$ sudo apt -y install tlp tlp-rdw

Thinkpad の場合は、Kernel モジュールもインストールしておきます。Sandy Bridge以降では acpi-call-dkms を、それ以前のものでは tp-smapi-dkms を入れますが、不明な場合は両方とも入れてしまっても構いません。

// Sandy Bridge 以降の場合
$ sudo apt -y install acpi-call-dkms

// Sandy Bridge 以前の場合
$ sudo apt -y install tp-smapi-dkms

TLPを起動させます。

$ sudo systemctl start tlp

システム起動時にTLPが自動起動するようにします。

$ sudo systemctl enable tlp

/etc/tlp.conf を編集すれば、更に細かい省電力設定ができます (自分は特にいじりませんでした)。

$ sudo nano /etc/tlp.conf

詳細は以下のサイトを参照してください。

linux_mint:高度な電源管理 [無銘闇人の備忘録]
電源管理ソフトウェアTLP のGUI なTLPUI を試す – matoken's meme

/etc/tlp.conf を編集した場合は、以下のコマンドでTLPを再起動させ設定を反映させます。

$ sudo systemctl restart tlp

その他、細かい設定など

細かい設定は、時間短縮のため端末からのコマンド入力で行ってしまいます。

デスクトップにゴミ箱などのアイコンを表示する

初期状態ではゴミ箱などのアイコンがデスクトップに表示されておらず不便なので、以下のコマンドを実行してアイコンを表示させます。trueで表示、falseで非表示になります。自分の場合は、ゴミ箱のみデスクトップに表示させています。

// ゴミ箱アイコンをデスクトップに表示する
$ gsettings set org.mate.caja.desktop trash-icon-visible true

// コンピュータアイコンをデスクトップに表示する
$ gsettings set org.mate.caja.desktop computer-icon-visible true

// ホームディレクトリをデスクトップに表示する
$ gsettings set org.mate.caja.desktop home-icon-visible true

// ネットワークアイコンをデスクトップに表示する
$ gsettings set org.mate.caja.desktop network-icon-visible true

// マウントボリュームをデスクトップに表示する
$ gsettings set org.mate.caja.desktop volumes-visible true


// 全てのデスクトップアイコンを表示する
$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons true

スクリーンセーバーを無効化する

自分の環境では、スクリーンセーバーは利用しないので無効化します。

$ gsettings set org.mate.screensaver idle-activation-enabled false

一定時間作業しないと画面がロックされるのを無効化する

何も操作しない時間が一定時間続くと画面がロックされるのは不便なのでこれも無効化します。

$ gsettings set org.mate.screensaver lock-enabled false

ノートパソコンを閉じた際にロックされるのを防ぐ

ノートパソコンではなくデスクトップパソコンに Linux Mint をインストールしている人はこの項目を飛ばしてもらって構いません。

// AC電源接続時
$ gsettings set org.mate.power-manager button-lid-ac 'nothing'

// バッテリー使用時
$ gsettings set org.mate.power-manager button-lid-battery 'nothing'

逆に、ノートパソコンを閉じた時にロックさせる場合は以下のコマンドを実行します。

// AC電源接続時
$ gsettings set org.mate.power-manager button-lid-ac 'suspend'

// バッテリー使用時
$ gsettings set org.mate.power-manager button-lid-battery 'suspend'

パネルアイコンをクリックした時のアニメーションを無効化

これも自分にとっては不要なので無効化します。

$ gsettings set org.mate.panel enable-animations false

アイドル時間が続いてもシステムをスリープ状態にしない

映画などを見ているときにシステムがスリープ状態になると気が散るので無効化します。気にならない人はこの項目をスキップしてしまって大丈夫です。

// AC電源接続時
$ gsettings set org.mate.power-manager sleep-computer-ac 0

// バッテリー使用時
$ gsettings set org.mate.power-manager sleep-computer-battery 0

アイドル時間が続いても画面を暗くしない

こちらも長い動画を見ているときに画面が真っ暗になると気が散るので無効化します。気にならない人はこの項目もスキップしてしまって大丈夫です。

// AC電源接続時
$ gsettings set org.mate.power-manager sleep-display-ac 0

// バッテリー使用時
$ gsettings set org.mate.power-manager sleep-display-battery 0

デュアルブートで時刻がズレないようにする

Windows と Linux Mint をデュアルブートしていると時刻がズレてしまう現象を直します。パソコンに Linux Mint しかインストールしていない方はこの項目を飛ばしてください。

まず timedatectl コマンドで現在時刻の設定を確認します。

$ timedatectl status

次に以下のコマンドを実行して時刻のズレを修正します。

$ sudo hwclock --systohc --localtime
$ timedatectl set-local-rtc true

再度 timedatectl コマンドで現在時刻の設定を確認します。

$ timedatectl status

これで Windows と Linux の双方で現在時刻のズレが修正されました。

壁紙のダウンロード

以下のコマンドでは Linux Mint の他に Ubuntu や Ubuntu Studio、 Xubuntu、 Kubuntu、 Edubuntu など全ての壁紙を入れています。壁紙が不要であれば、この過程は飛ばしても構いません。

$ sudo apt -y install mint-backgrounds-* ubuntu-wallpapers-* ubuntustudio-wallpapers xubuntu-community-wallpapers-* kubuntu-wallpapers-* edubuntu-wallpapers

Linux Mint に溜まっている不要なものを削除する

Linux Mint 22 “Wilma” では以前のバージョンと異なり、英語とインストール時に選択した言語以外の言語パッケージはインストールの最後に削除されるので、今までのように使わない言語パッケージをいちいち削除する必要がなくなりました (下記参照)。

Preinstalled packages for languages other than English and the one you select are removed at the end of the installation. This was not optimized in previous Linux Mint releases.

New Features in Linux Mint 22 'Wilma' - Linux Mint
Linux Mint is an elegant, easy to use, up to date and comfortable desktop operating system.

しかし /usr/share/locale には削除されていないロケールが残されているので削除します。

/usr/share/locale以下の他言語(locale)を削除する

削除前にどれくらい容量を食っているか確認します。

$ du -h --max-depth=1 /usr/share/locale | sort -hr | head -n1

自分の環境では 190M も容量を使っていました。

英語(アメリカ英語)と日本語を除いた全ての言語(locale)を削除します。

$ cd /usr/share/locale && ls -1 /usr/share/locale | egrep -v "^(default|en|ja|locale)" | xargs sudo rm -fr && sudo rm -fr en_GB en_AU en_CA jam && cd

削除後の容量を確認します。

$ du -h --max-depth=1 /usr/share/locale | sort -hr | head -n1

3.7M まで削減されていました。

APTキャッシュの削除

aptキャッシュを削除します。apt経由でダウンロード・インストールされたdebパッケージは、/var/cache/apt 以下にキャッシュされるので、そのキャッシュを削除してディスク容量を空けます。

まず、以下のコマンドを実行してどのくらいのキャッシュが溜まっているか確認します。

$ sudo du -sh /var/cache/apt

溜まっているキャッシュや不要なパッケージを削除します。

$ sudo apt clean && sudo apt autoremove

古いバージョンのLinuxカーネルを削除する

古い不要になったカーネルをコマンドで削除します。ここでは時間短縮のためコマンドで古いカーネルを削除しますが、アップデートマネージャから行った方が安全で良いかも知れません。

まずは、以下のコマンドを入力し以前のバージョンのカーネルがインストールされているか確認します。

$ sudo dpkg -l | egrep "linux-image|linux-headers"

自分の場合 6.8.0-396.8.0-40 の2つのカーネルがあり、前者が以前のバージョンのカーネルで、後者が現在使用しているカーネルです。

現在使用中のカーネルよりも以前のものがある場合は、以下のコマンドを実行して削除してください。

$ dpkg --list 'linux-*' | sed '/^ii/!d;/'"$(uname -r | sed "s/\(.*\)-\([^0-9]\+\)/\1/")"'/d;s/^[^ ]* [^ ]* \([^ ]*\).*/\1/;/[0-9]/!d' | xargs sudo apt purge -y

grubに変更を反映させ、パソコンを再起動させます。

$ sudo update-grub
$ sudo reboot

無事にシステムが再起動したら完了です。お疲れ様でした。

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