WSLとは
WSLは「Windows Subsystem for Linux」の略で Winodws 上で Linux 環境を構築できるシステムのことです。WSL2では、Hyper-V(ハイパーバイザー)上でLinuxカーネルを動作させるので、Winodws上で「完全な Linux 環境」を構築することができます。
WSL2のインストール方法
管理者権限で Windows PowerShell を開く
まず「スタート」ボタンをクリックし、検索欄に「PowerShell」と入力します。すると「Windows PowerShell」が候補に出てくるので「管理者権限として実行する」をクリックし起動します。

Linux ディストリビューションのインストール
開いたら、まずインストール可能なLinuxディストリビューションを確認します。
PS C:\WINDOWS\system32> wsl -l -o

WSL2で、インストール可能な Linux ディストリビューションは以下の9つ。-dオプションでディストリビューションを指定しない場合、デフォルトのUbuntuがインストールされます。
- Ubuntu (デフォルト)
- Debian
- Kali Linux
- SUSE Linux Enterprise Server v12
- SUSE Linux Enterprise Server v15
- Ubuntu 18.04 LTS
- Ubuntu 20.04 LTS
- Oracle Linux 8.5
- Oracle Linux 7.9
今回は Ubuntu 20.04 LTS をインストールするので -d オプションで「Ubuntu-20.04」を指定します。
PS C:\WINDOWS\system32> wsl --install -d Ubuntu-20.04

インストールが完了したら、パソコンを再起動させます。再起動後、自動的にUbuntuの端末が開いたら、ユーザー名とパスワードを入力します。

最後に、Ubuntuのアップデートを行えば完了です。
$ sudo apt update -y && sudo apt upgrade -y
X Window システムのインストール
そのままでは、GUIが使えず少し不便なので、X Windows システムをインストールします。以下の公式サイトから「VcXsrv Windows X Server」をダウンロードします。

ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックしてウィザードを開きます。以下の画面が出るので [ Next > ] をクリックしてください。

インストール先の選択ですが、デフォルトのままで大丈夫なのでそのまま [ Install ] をクリックします。

インストール中の画面が表示されますので、しばらく待ちます。


完了したら [ Close ] をクリックしてウィザードを閉じます。以上で「X Window システム」のインストールは完了しました。
X Window システムの起動と初期設定
デスクトップにできた「XLaunch」ショートカットをダブルクリックします。最初に「Select display settings」ウィンドウが表示されますが、何もせずそのまま [次へ] をクリックします。

「Select how to start clients」ウィンドウもデフォルト設定のまま [次へ] をクリックします。

「Extra settings」ウィンドウでは「Clipboard」「Primary Selection」「Disable access control」にチェックを入れて「Native opengl」のチェックを外します。そして「Addtional parameters for VcXsrv」に「-nowgl」を加えて [次へ] をクリックします。

「Finish configuration」ウインドウになったら「Save configuration」をクリックしてデスクトップに「config.xlaunch」という名前で保存し [完了] をクリックします。

次回からはデスクトップの「config.xlaunch」アイコンをダブルクリックすれば設定済みの「X Window システム」が開きます。
Windows Firewall 設定
「X Window システム」が開くと、以下のような警告が出ますが「アクセスを許可する」をクリックします。

次に [スタート] → [設定] → [プライバシーとセキュリティ] → [Windows セキュリティ] を開きます。

[Windows セキュリティを開く] →「Windows セキュリティ」→「ファイアーウォールによるアプリケーションの許可」を開きます。


[設定の変更] をクリックし「VcXsrv windows xserver」の「プライベート」と「パブリック」の両方にチェックを入れ [ OK ] をクリックします。

Ubuntu側の設定
Firewall を有効化する
$ sudo ufw enable
$ sudo ufw default deny
$ sudo ufw logging on
$ sudo ufw reload
ちゃんと有効になっているか以下のコマンドで確認します。
$ sudo ufw status verbose
以下のようになっていたら、ちゃんと有効になっています。
Status: active
Logging: on (low)
Default: deny (incoming), allow (outgoing), disabled (routed)
環境変数の設定
$ nano ~/.bashrc
.bashrc の末尾に以下を追記して保存します。
export DISPLAY=$(grep -m 1 nameserver /etc/resolv.conf | awk '{print $2}'):0.0
以下を実行して、設定を反映させます。
$ source ~/.bashrc
ブラウザなどをインストール
ブラウザにFirefoxをインストールしたいと思います。
$ sudo apt install dbus firefox pkg-config
build-essential, libdvd-pkg, コーデック関連をインストールする
$ sudo apt install git cmake build-essential ubuntu-restricted-extras libavcodec-extra libdvd-pkg
$ sudo dpkg-reconfigure libdvd-pkg
Xedテキストエディタをインストール
$ sudo add-apt-repository ppa:ubuntucinnamonremix/all && sudo apt update && sudo apt install xed
Ubuntuを日本語化する
$ sudo apt install language-pack-ja language-pack-ja-base manpages-ja manpages-ja-dev firefox-locale-ja
$ sudo apt install fonts-migmix fonts-takao-pgothic fonts-takao-gothic fonts-takao-mincho
$ sudo update-locale LANG=ja_JP.UTF-8
Firefox を起動する
以下のコマンドを実行してfirefox起動します。
$ firefox &
Linux ディストリビューションをアンインストールする方法
Windows のアプリをアンインストールするのと同じように「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」からアンインストールすることができます。
参考にさせていただいたサイト様




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