前回に引き続き、オープンソースでフリーなアンチウイルスソフト ClamAV (Clam AntiVirus) に関する記事です。今回は ClamAV のGUIフロントエンドである ClamTk の導入方法をご紹介したいと思います。
ClamTkではなくClamAVの設定方法を知りたい場合は、こちらの前回の記事をご覧ください。
GUIフロントエンドとは
GUIフロントエンドとは、簡単に言うと端末やコマンドを使って操作するソフトをウィンドウやマウスなどでグラフィカルに操作できるようにしたものです。初心者やコマンド操作が苦手な人におすすめです。
ClamTkのインストール
端末を開いて、ClamTkをインストールします。ClamTkをインストールするとClamAVなどの依存関係も同時にインストールされます。
$ sudo apt install clamtk
インストールが完了すると「メニュー」→「アクセサリ」に「ClamTk」のアイコンが出るので、クリックして開きます。もし ClamTk が見つからない場合は、パソコンを再起動させれば出現します。
ClamTkの初期設定
ウイルス検索の設定
ウィンドウが開いたらまず「設定」をクリックします。
とりあえず全てチェックを入れて、「戻る」をクリックします。
アップデートアシスタントの設定
次にアップデートアシスタントの設定を行います。
「コンピューターが自動的にアップデートを受信する」か「自分でシグネチャをアップデートする」か選び「適用」をクリックします。設定が適用できたら「戻る」をクリックします。
シグネチャのアップデートを確認する
「アップデート」を開きます。
「アップデートの確認」をクリックして、アップデートがないか確認します。アップデートが確認できたら「戻る」をクリックします。
ウイルス検索のスケジュールを設定する
「スケージュール」を開きます。
シグネチャのアップデートする時刻とスキャンする時刻を選び、時刻選択の右下にある [+] ボタンで追加します。設定した時刻を取り消す場合は、時刻選択の右下にある [-] ボタンをクリックします。設定をし終えたら「閉じる」をクリックします。
ウイルスの検出はできるが駆除ができない問題を修正する
まず /usr/bin/clamtk を開きます。
$ sudo nano /usr/bin/clamtk
44行目あたりに setlocale( LC_ALL, '' );
と書かれている箇所があるので、後ろに setlocale( LC_TIME, 'C' );
を追記して保存します。
setlocale( LC_ALL, '' );
setlocale( LC_TIME, 'C' );
メールの添付ファイルに含まれるウイルスを検知しない問題を修正する
/usr/share/perl5/ClamTk/Scan.pm を開きます。
$ sudo nano /usr/share/perl5/ClamTk/Scan.pm
200行目あたりに以下のように書かれている箇所があるので、--scan-mail=no
を --scan-mail=yes
に書き換えて保存してください。
# Try to avoid scanning emails...
$directive .= ' --scan-mail=no';
// 上記を以下のように書き換える
# Try to avoid scanning emails...
$directive .= ' --scan-mail=yes';
ウイルス検索を実行
ClamTkが起動しない場合
上記の設定を行った後に ClamTk を起動しようとしても起動しない問題が発生した場合は ClamAV の設定を行います。以下の記事に書いてある「ウイルススキャン前にやること」の項目を行ってみてください。
ウイルススキャンを実行
「フォルダーをスキャン」をクリックし、ウイルス検索したいディレクトリを選択します。ここではホームディレクトリ を選択しました。
ウイルス検索中の画面はこちら。
見つかったウイルスや脅威は「隔離」から駆除することができます。
感想
ClamAVは端末(CUI)での操作が基本になるので、コマンド操作に慣れていない人や苦手な人にとっては、難しく感じたりとっつきにくく感じたりすると思います。しかし ClamTk は、ClamAV をウィンドウから操作できるので誰でも簡単に操作できるのが素晴らしいですね。
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