Linux Mintでw3mをソースからビルドする

Linux

w3mとは、東北大学教授で日本人の伊藤彰則(いとうあきのり)氏によって開発されたテキストベースのブラウザです。名前の由来は「WWW wo Miru (WWWを見る)」から来ています。

本家は2011年の01月15日が最後の更新となっていますが、有志によって現在でもメンテナンスされていますので、この記事ではそのメンテナンスされたバージョンを導入したいと思います。

2024年08月30日現在、2023年01月21日にリリースされたv0.5.3+git20230121が最新版です。

下準備

依存関係のインストール

まず始めに libgc-dev をインストールしておきます。
これをインストールせずに ./configure を実行すると「gc.h not found」とエラーが出ます。

$ sudo apt -y install libgc-dev

w3mのインストール

下準備が終わったら、早速 git で w3m のソースコードを取得します。その後、cdコマンドで w3m ディレクトリに移動し ./configure を実行します。後は普通に make でコンパイル、make install します。

$ git clone https://github.com/tats/w3m.git
$ cd w3m

$ ./configure
$ make
$ sudo make install

最後に、ちゃんとインストールされたか which コマンドで確認します。以下のように /usr/local/bin 以下にw3mがあれば、無事に導入完了です。

$ which w3m
/usr/local/bin/w3m

w3mの基本的な使い方と操作方法

サイトを開く

サイトを開くには、w3m の後に URL を入力すればOKです。ここでは例として、Googleのホームページを開いてみます。

$ w3m www.google.co.jp 

操作方法

[Ctrl] + [n] で次の行、などといった操作が割り当てられています。キーアサインのうち特に重要なものの直感的ではないものは以下の通りです、

  • [U]: URLを指定して開く(一般的なブラウザのアドレスバー相当)
  • [s]: バッファ一覧を表示する
  • [B]: 1ページ戻る
  • [R]: リロード

これら以外の操作については $ man w3m もしくは w3m ディレクトリ以下に「doc-jp」というディレクトリが生成されているので、その中にある MANUAL.html (日本語)を読んでください。


上に移動: [↑]
下に移動: [↓]
右に移動: [→]
左に移動: [←]

w3mを終了: [q]
w3mを確認なしで終了: [Q]

前のリンクに移動: C-u
次のリンクに移動: [TAB]

前のページを表示: b, ESC v
次のページを表示: SPC, C-v

URLを指定して開く (アドレスバー担当): [U]
ページをリロード: [R]

カーソルを下に移動: [j] or [Ctrl] + [n]
カーソルを上に移動: [k] or [Ctrl] + [p]

現在のカーソル位置からファイルの末尾に向かって検索: /[キーワード]

前を検索: [N]
続けて次を検索: [n]

画面を1行上にスクロール: [J]
画面を1行下にスクロール: [K]

HTMLソースを表示: [v]


w3mの公式サイト及びメンテナンス版のリポジトリへのリンク

W3M Homepage
GitHub - tats/w3m: Debian's w3m: WWW browsable pager
Debian's w3m: WWW browsable pager. Contribute to tats/w3m development by creating an account on GitHub.

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